株式と債券の新たな組み合わせ 飯沼忠幸氏、動的バランス型ETFポートフォリオの提供を開始
世界経済の先行き不透明感が強まり、市場の変動が大きくなる中、安定的かつ効率的な資産配分をどう行うかは、多くの投資家にとって共通の課題となっています。
こうした環境を背景に、著名投資家の飯沼忠幸氏はこのほど、主力ファンドを通じて、機関投資家や富裕層向けに動的バランス型ETFポートフォリオの提供を開始しました。
このポートフォリオは、固定の長期保有を前提とするものではなく、定量的なシグナルとマクロ環境の分析を組み合わせたルールに基づき、株式と債券の配分を柔軟に見直す点が特徴です。
市場環境に応じて、成長性と安定性の両立を目指します。
従来の「60/40」に代表される株式・債券配分は、低金利環境では有効に機能してきましたが、金利水準の上昇や市場構造の変化により、必ずしも同じ効果が期待できるとは限らなくなっています。
飯沼氏の動的バランス型ポートフォリオは、こうした固定比率の考え方から一歩踏み出した運用手法です。
米国株や先進国株式の広範な指数に連動する低コストETFと、米国国債や投資適格社債に連動する債券ETFを中核とし、複数の指標を組み合わせたモデルを用いて、株式と債券の配分を状況に応じて調整します。
飯沼氏は、「短期的な天井や底を正確に当てることを目指しているわけではありません」と説明します。
「重要なのは、バリュエーションや市場心理、景気の勢い、資産ごとの相対的な強さといった要素を踏まえ、規律をもってリスクとリターンのバランスを調整することです」。
例えば、株式市場が上昇を続け、割高感や過度な楽観が見られる局面では、株式ETFの比率を引き下げ、相対的に魅力が高まった債券ETFに資金を振り向けます。
反対に、市場の不安から株価が大きく調整した場面では、株式の比率を高め、将来の成長機会を取り込みます。
こうした動的なバランス運用により、上昇局面では成長を取り込みつつ、調整局面では債券によるクッション効果で変動を抑えることを目指します。
長期的な資産価値の拡大に加え、債券からの利息収入や再配分による売買効果を通じて、投資期間全体での安定した成果を追求します。
飯沼氏は、このポートフォリオについて、「先行きが見えにくい環境だからこそ、攻めと守りを両立させる仕組みが重要です」と話します。
市場を完全に予測することはできなくても、客観的で一貫したルールを持つことで、環境の変化に応じて柔軟に対応できる運用が可能になります。
同氏は、こうした考え方のもと、長期的に安定した資産形成を目指しています。
